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株主優待の特徴、メリットと注意点について

こちらのページでは、株主優待の特徴やメリット、投資の際の注意をご紹介いたします。

 

株主優待でお得な優待品をたくさん受け取れます

株主優待とは株を長期的に保有してくれている株主に、感謝の気持ちを込めて自社商品やサービスを優待品として企業が配当金以外に利益を提供する制度です。

それに対し、配当金は会社が稼いだ利益の一部を、株主へ支払うお金を指しています。

株主優待は日本発祥のサービスです

この株主優待ですが、株主優待は外国では珍しく日本独自の制度です。

企業にとっては、自社の商品・サービスを知ってもらい、イメージ向上の目的にも利用できます。
優待品は企業によって異なり、食事券や割引券、カタログギフトなどさまざまな商品がもらえるため、株主優待が目的で株主投資を始める方も少なくありません。
詳しい金額は企業の株価によって変わってきますが、高額でなければ10万円程度で株主優待をもらえる場合もあります。

株主優待を受けるには

株主優待を受けるには、株主優待制度を設けている企業の株式を購入し、株主になる必要があります。
ただし、権利確定日に株主名簿へ記載されていることが必須です。

権利確定日とは、株主優待の権利が確定される日です。
購入した株式の権利確定日に、株主名簿の氏名や必要事項が不備なく登録されているか、あらかじめチェックしておきましょう。

また、株主優待を取得するには、もう一つ条件があります。権利付き最終日に株を保有していることです。
この権利付き最終日は権利確定日の3営業日前を指しており、その日の15時までに株を所有していれば株主優待を受けられます。

取引をするためには証券会社の口座開設が必要ですが、銀行で口座を作るような手順で作れるので、特に難しい作業ではありません。

必要株数を確認しておきましょう

目的とする株式の権利確定日を調べることも重要ですが、株数がどのくらいの必要なのかを確認しておくことも大切です。
株には売買単位と呼ばれる最低株数が存在します。

売買単位について

売買単位は、2018年10月1日より100株に統一されました。
従来1株から2,000株まで、幅広かった売買単位を100株に揃えることで、誤発注が軽減されて最低株数が前回より下がり、誰でも気軽に始めやすくなった銘柄もあるようです。
売買単位が100株の場合、株の売買は100の倍数で行われます。
例えば、株価が120円の売買単位が100株のとき、120(円)×100(株)で最低投資金額が12,000円です。

配当利回りとは

配当利回りとは、購入株価に対して、1年間で受け取れる配当を表す指標です。
配当利回り(%)の計算式は配当(円)÷株価(円)です。
株価が同じ値段でも、配当金額が高ければ配当利回りは大きくなり、逆に配当金額が低くければ配当利回りも小さくなります。

例えば、配当が30円で株価が600円のとき、30(円)÷600(円)で配当利回りは5%です。
配当利回りの割合が高ければ高いほど、株主が受け取れる配当金が大きく、よりお得ということになります。

お得な優待利回りについて

優待利回りとは、投資した金額に対して株主がどれくらい利益を得られるのかを数値化したものです。
計算式は優待価値(円)÷実際に支払った金額(円)で算出されます。
例えば、2000円分のお食事券を年3回、合計6,000円を受け取った場合、100株で株価が1,500円であれば支払う金額は、100(株)×1500(円)で150,000円です。

したがって、6,000(優待価値)÷150,000(支払った金額)で、優待利回りは4%です。
利益を表す数値なので、数値が大きければ大きいほど得られる利益は大きく、それだけ得をしていることになります。

高い優待利回りには注意が必要です

ただし、優待利回りが高いときは注意するポイントがあります。
特に、株価が1年間で急落し、優待利回りが高くなっているケースは注意が必要です。
これは企業で何かしらの問題が発生し、業績が悪化したため株が売られた可能性があります。
利回りが高いということは、それだけ企業が負担する金額が大きく、株主優待を維持するのは大変です。
仮にそうなると、株主優待が廃止になってしまうかもしれないので、利益が大きいからといってむやみに飛びつかず、冷静に検討しましょう。

投資をする企業の選び方

株式投資はいかに株を安く買って高く売れるかが重要です。
しかし、初めて株を始める人が、株価の安い株式を見極めるのは少し難しいかもしれません。
気軽に株を楽しみたい方は、気になる株式の銘柄を株主優待目当てで選ぶのも良いでしょう。
好きな銘柄があれば、その会社の自社製品やサービスを受け取ることができ、それだけでも十分楽しめます。

また、主婦の方であれば、スーパーやファミリーレストランを経営する会社から商品券・お食事券などを受け取って、家族みんなでお得に楽しめる株主優待も選べます。
利用する人によって、使う目的は異なるので、自分に合った銘柄を見つけて株主優待を楽しみましょう。

興味のある企業・製品、応援したい企業を選んだら、その企業の経営状態について調べることをお勧めします。
その企業に将来性のある商品やサービスが充実しているか、他社に負けない強みを持っているかどうかなどを調べておくと良いです。
そうするとで、企業の成長や物価上昇が見込めるかがある程度推測でき、よりお得な株主優待を楽しめます。

株主優待企業数は1400社を超え、年々増え続けています

(大和インベスター・リレーションズ株式会社の「株主優待ガイド2017年版」に表記されている株主優待実施企業数の推移グラフとPDFに記載された数値を参考に作成しました。)

数値を参考にしたリンク
https://www.daiwair.co.jp/pdf/pr181109.pdf 

株主優待は任意の制度なので、すべての企業が実施しているわけではありません。
しかし、この表をみてわかるように、実施企業数・実施率が時間の経過とともに増え続けています。

株主優待実施率は、1992年の9.7%から2018年には38.5%まで上昇し、約4.5倍の実施率に上昇しました。
また、2017年と翌年2018年の実施社数・実施率を比較すると、2017年の実施社数1,368社・実施率36.7%だったのに対し、2018年は実施社数1,450社・実施率38.5%と増加しており、過去最高を更新し続けています。
株主優待を設ける企業は年々増加し、投資家の方だけでなく、未経験の主婦や一般の方でも気軽に始められる時代になり始めています。

株主優待は株主も提供する企業もメリットが大きい

株主優待は企業にとっては広告のようなものです。
特に、電気屋やスーパーなどは、割引券や商品券を優待品にすることで、自社製品を顧客に触れてもらい、自社の店舗で商品を購入してくれる機会を増やしています。
株主優待は株主だけでなく、それを提供する企業も得できる仕組みになっています。

加えて、株主優待を提供している企業の株を買うメリットもご説明いたします。
株主優待を提供している企業は、提供していない企業と比較して、株価下落に強い企業が多く、株で失敗する可能性が低いと言われています。
これは、株主優待を受け取るまで、株を保有しておこうと考える投資家が多いためです。株は売りたい人が買いたい人の割合を上回っているときに下落します。
しかし、日本では毎年送られてくる株主優待を目的にして、株を買っている株主が多く、比較的そのバランスが保たれているので、物価下落に強いと言われています。
株が下落したときに出る売りもそこまで大きくありません。

株主優待の長期保有制度について

また、近年では長期保有制度を取り入れる企業が増えています。
長期保有制度とは、株主優待を長期的に保有していると、株主優待の内容がプラスされ、さらにお得になるサービスです。
さらに、初心者が悩みがちな株を買うタイミングも、株主優待を提供している企業なら、毎年特徴のあるリズムで株が動いている場合が多く、初心者の方でも買うタイミングを掴みやすいです。
つまり、投資するリスクが低い株主優待は、初心者の方でも気軽に始められる株式投資ということです。
株主優待のしくみを理解し、自分に合ったお得なサービスを楽しみましょう。